所得税と法人税の違い

税法 

副業のための税金の基礎知識2 

副業を始めるにあたって色々考えていることはたくさんあると思います。始めようと思っている、あるいは既にスタートさせた副業が軌道にのったのなら、将来は法人にしようと考えている方も多くおられるのではないでしょうか。そこで今日は、所得税と法人税の違いについて簡単に理解しておくと将来きっと役立つと思い、その違いについて説明させていただきます。

1.納税義務者

▶所得税は「個人」

▶法人税は「法人」

個人については言うまでもありませんが、法人について補足すると、法律によって“法人格”というのが与えられ社会的に“人格”を持つ存在で、一人の人間のように権利・義務の主体となるものです。例えば、私たち個人がローンを組んだり、賃貸契約をするように、法人自身がローンを組んだり、賃貸契約を結びます。そこで注意しなければならいのが、Aさんが作った会社が Aさん 個人の不動産を使うとき、 Aさん と Aさんが作った会社 は、賃貸借契約を結ばなくてはいけないという事です。

2.課税の基準

▶所得税は「個人の所得」
     :収入金額ー必要経費

▶法人税は「会社の利益」
     :収益ー費用

「個人の所得」「会社の利益」は、内容的には同じです。


細かいことをいうと、法人は、法人税を課税するとき一定の調整金額をプラスマイナスした(例えば会計処理するときに収益・費用として計上しているが法人税法上これは収益・費用にはなりませんというものを申告書で減算・加算する)税務調整後の金額に課税します。

3.税額計算の対象期間

▶所得税は「暦年課税」:1月1日から12月31日 
                翌年2月16日から3月15日までに申告

▶法人税は「事業年度」:定款で定めた1年以下の期間(ほとんどの会社が1年) 
                事業年度終了の日の翌日から2か月以内に申告

4.課税方法

▶所得税は、所得の種類を10種類に分類。その種類ごとに所得の計算方法と税金計算が異なる。

▶法人税は、利益(所得)は分類しない。所得の種類も税金計算も分けない。

所得税は、①各所得の合計額に対して税率をかけて税金計算する総合課税と、②単独でその所得にたいして税率をかけて税金計算をする申告分離課税や源泉分離課税があります。

ここは迷いやすいところだと思います。所得金額については次回詳しく解説します。

5.税率

▶所得税は、「超過累進税率」 ただし先ほどの②の分離課税を除きます

▶法人税は、「一定税率」 この法人税の税率は、法人の種類や資本金の種類によって決まります。

6.まとめ

まだまだ税金には複雑に色々な規定がありますが、まず以上のような基本的な所得税と法人税の違いについて知ることでこれからの所得計算、税金計算の際に役立つと思います。

個人の所得金額については、一番わかりずらい所だと思います。次回は所得税の10種類の所得金額について、その種類と所得金額の出し方について解説したいと思います。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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